以前、香LIGのミーティングで話していたとき、「エッセンシャルオイルは香りが弱いから、香水として使うのは難しい」という話題になったことがありました。 そのときは「そういうものなのか」くらいの受け取り方でしたが、その後、「THREEの香水がエッセンシャルオイルベースで作られている」という話を耳にして、急に気になり始めました。
「香りが弱いはずのエッセンシャルオイルで、香水が成立するのはなぜだろう?」という疑問を持ったまま、実際にお店に行ってみることにしました。 この記事は、そのときの体験と、THREEで教えてもらった「香水初心者でも迷わない選び方」をそのまま書き残したものです。

「合成香料ゼロ」の香水が存在することを、ここで初めて知った
スキンケアブランドのイメージが強かったTHREEですが、店内に入ると香水(エッセンシャルセンツ)のコーナーが目に入りました。 スタッフに声をかけて「香りが苦手なんです」と正直に伝えると、「THREEの香水は合成香料を一切使っていないんですよ」という一言が返ってきました。
「合成香料ゼロの香水?そんなものがあるんですか?」と思わず聞き返したのが、この日の体験の出発点でした。
「精油100%」で作られた香水は、どこが違うのか

画像引用:南阿蘇 ハーブ栽培の始まり
THREEの香水(エッセンシャルセンツ)は、アルコールは含まれていますが、香りの成分はすべて天然の精油(エッセンシャルオイル)だけで構成されています。 市販の一般的な香水の多くは、コストや安定性のために合成香料が使われていますが、THREEはその部分を一切妥協していないということでした。
調べて見たところ、現在南阿蘇村で栽培しているのは、ゼラニウムやレモングラスをはじめとする、南阿蘇の「豊かな水」のある育成環境に適したハーブたち。
「ということは、あの頭が痛くなる感じは合成香料が原因だったんですか?」と聞くと、スタッフが「そういう方が多いんです。天然の精油だと、同じ時間試しても疲れにくいんですよ」と教えてくれました。
「香水が苦手」と思っていた理由が、香りそのものではなく「合成香料」にあった可能性に気づいた瞬間でした。
オノリカ監修 「香水で頭が痛くなる」「気持ち悪くなる」という方の多くは、人工的に合成された香料成分が原因であるケースが少なくありません。 天然の精油は植物から抽出された自然の成分であるため、本物の花や木の香りを嗅いだときと同じように、複数試しても脳や鼻への負担が少ないのが特徴です。
「香水が苦手」と感じていた方が、天然素材のブランドを試してみたら平気だったという体験談はよく聞きます。 「香りそのものが苦手」なのではなく、「合成香料が苦手」なだけという可能性は、ぜひ一度確かめてみてほしいと思います。
「ロートをひっくり返して嗅ぐ」という、ここだけの試香スタイル
THREEの試香体験で驚いたのが、香りの嗅ぎ方でした。 一般的な試香紙(ムエット)を使うのではなく、スタッフがロートのような形状の専用ツールを使って「気をつけて嗅いでみてください」と差し出してくれました。
「なんですか、これ?」と聞くと、「香りがより集中して届くように、このスタイルで試していただいているんです」との説明でした。 後からわかりましたが、このツールは多くのお客さんが繰り返し使っているため、嗅がれた形跡がはっきりとわかるほど使い込まれていました。
「嗅ぎすぎて、めちゃくちゃ嗅がれた形跡がある」とスタッフさんと笑い合いました。
香りに「番号」がついている。ナンバー制の選び方が、初心者に優しかった
THREEの香水(エッセンシャルセンツ)には、名前ではなく「00番」「01番」「02番」のように番号がついています。 「何番がいいですか?」という選び方の発想が、最初はちょっと不思議でしたが、実際に試してみるとこの仕組みが初心者にとって非常にわかりやすいと感じました。
柑橘系の爽やかさ。まず「05番」を嗅いで基準を作った

最初に試したのが05番でした。 レモン、グレープフルーツ、柚子などの柑橘系をブレンドした香りで、嗅いだ瞬間に「あ、レモン入ってる!」と声が出ました。
フレッシュでクリーンな印象で、香水というよりフルーツジュースのそばに立っているような爽やかさがありました。 「香水初心者でも受け入れやすいのはこのタイプですか?」と聞くと、スタッフが「柑橘系は馴染みやすいので、最初に試していただく方が多いですね」と言っていました。
「クラフトコーラみたい!」と声が出た、04番の香りの表現
複数の番号を試していく中で、「一番好きですね」と思わず口に出た香りが04番でした。 ベルガモットやレモン系のシトラス感があるのですが、「クラフトコーラみたいな感じ」というのが嗅いだ瞬間の正直な感想でした。
スタッフさんも「面白い表現ですね、でもわかります」と深く共感してくれました。 香りを「ウッディ」や「シトラス」という専門用語で語る必要はなく、「クラフトコーラみたい」「雨みたい」「ハッカっぽい」という日常の言葉がそのまま通じる。それがTHREEの接客の居心地の良さだと感じました。
オノリカ監修 香りを「クラフトコーラみたい」「雨みたい」と表現することは、アロマテラピーの観点からも非常に理にかなったアプローチです。 人間の嗅覚は感情や記憶と直結しているため、「学術的な用語」よりも「自分の記憶の中にある感覚」で香りを表現する方が、脳はより正確に好みを判断できます。
「甘い」「爽やか」「重い」「懐かしい」など、どんなに日常的な言葉でも構いません。 その直感的な言葉がスタッフへの最高のヒントになります。
「ハッカっぽい」と思ったら、実はシナモンだった。天然香料の奥深さ

画像引用:国産精油が生まれる THREE呼子蒸留所
00番を試したとき、「少しハッカが入っていない?ハッカっぽい」という感覚がありました。 スタッフさんに確認すると「ハッカは入っていなくて、シナモンやカルダモンなどのスパイスが入っているんです」という答えが返ってきました。
「シナモンがハッカに感じられるんですか?」と驚くと、「人によってスパイスの清涼感をそう感じる方がいらっしゃいます」と教えてくれました。 同じ香りでも、受け取り方は人によってまったく違う。天然の精油で作られた香りの複雑さと面白さを、このやり取りで初めて実感しました。
「森林浴みたい」と感じた02番のウッディ系
02番はひのき、ほうしょう、サイプレスなどの木系の香りです。 嗅いだ瞬間に「森林浴をしているみたいな感じ」という感想が自然と出てきました。
スタッフさんが「男性のお客さんに人気が高いのがこの02番と05番なんです」と教えてくれました。 「男性でも使えるんですか?」と聞く前に答えてくれたのが印象的で、「女性向けですか?」という私の心の中の疑問を先読みしてくれたような接客でした。
「雨みたいな香り」を二人で確認し合った体験
別の香りを試したとき、「雨みたい」という表現が自然と出てきました。 スタッフさんが「そうですね、少し甘いですよね」と補足してくれて、「情緒的な香りの言語化」が店内で行われていることに気づきました。
「雨の匂い」は科学的には「ペトリコール」と呼ばれる自然界の現象に由来する感覚ですが、そんな知識は一切必要ありませんでした。 「雨みたい」というだけで、スタッフさんとの香りのすり合わせが成立する。それがTHREEの接客の空気感でした。
3時間で香りが「優しく変わる」。天然精油ならではの移ろいを知った
スタッフさんとの会話の中で、THREEの香水の持続時間について聞いてみました。 「5〜6時間が目安ですが、天然の精油を使っているので、3時間ほどで少しずつ香りが優しく変化していくんです」という説明が印象的でした。
「変化するんですか?」と聞き返すと、「そうなんです。弱くなるというよりも、じんわりと柔らかく移ろっていく感じです」とスタッフさんが言いました。 「強く香り続ける」ことよりも「自然に移ろっていく」ことをブランドが大切にしているという設計の哲学を、この一言で受け取りました。
パッケージが変わっても「定番として残り続けた香り」の理由

00番や01番といった香りは、過去にパッケージのリニューアルが行われた際も、お客さんからの根強い支持を受けて定番として残り続けてきたとスタッフさんが教えてくれました。
「なぜその香りが残り続けたんですか?」と聞くと、「リニューアルのたびに『あの香りはなくさないでほしい』という声をいただくんです」という答えでした。
香りがブランドの見た目を超えて、お客さんの生活に根づいている。 その事実が、THREEの香りへの信頼の深さを端的に物語っていました。
一級アロマテラピスト・オノリカ監修 天然の精油で作られた香水が「時間とともに優しく変化する」のは、植物由来の成分が持つ自然な特性によるものです。 合成香料は均一に揮発するよう設計されているため「最初から最後まで同じ香り」になりやすいのに対し、天然の精油は複数の成分が異なるペースで揮発するため、時間とともに香りが変化していきます。
これがいわゆる「トップノート→ミドルノート→ラストノート」と呼ばれる香りの変化で、ひとつの香りを長い時間かけて楽しめるのが天然素材ならではの醍醐味です。 「変化する香り」を楽しむ余裕が生まれたとき、香水との付き合い方が一段階深まります。
スキンケアと香りが「つながっている」という設計が面白かった
接客の後半で、スタッフさんがクレンジングオイルや化粧水・乳液を紹介してくれました。 「香水と同じ精油が使われているので、洗顔やスキンケアの時間も香りを楽しんでいただけます」という提案でした。
「つまり、お風呂でも朝のスキンケアでも、同じ精油の香りに包まれるということですか?」と確認すると、スタッフさんが「そうです。1日の中のいろんな場面で香りが繋がっていくんです」と答えてくれました。 「香水をつける」という行為だけでなく、「日常のケア全体に香りを溶け込ませる」という発想が、THREEの最も大きな特徴のひとつだと感じました。
メイクアップには精油が入っていない。ブランドの明確な線引き
「全部のアイテムに精油が入っているんですか?」と聞くと、スタッフさんが「実はメイクアップ商品には香りは入っていないんです」と教えてくれました。 これはブランドとしての明確な設計ルールで、「肌の上に長く乗るメイクアイテムへの安全性への配慮」が理由のひとつだという説明でした。
「精油100%で作った香水のブランドが、メイクには香りを入れない」という判断の背景を知ることで、THREEというブランドが香りに対してどれだけ真剣に考えているかが伝わってきました。 使う場所と目的を明確に分けるというこだわりが、ブランドへの信頼感につながっていると感じました。
ハンドクリームは「00番と01番のみ」。だからこそ悩まなかった
「香水以外のアイテムで同じ香りを楽しめるものはありますか?」と聞くと、ハンドクリームが紹介されました。 ただし、ハンドクリームに展開されているのは「00番と01番のみ」とのことでした。
種類が絞られているぶん、「まずはどちらかを試してみよう」という判断がシンプルにできます。 「香水はまだちょっと……」という方には、このハンドクリームが香りの入口として非常に使いやすい選択肢だと感じました。
THREEで香りを選ぶ、初心者のための3つのステップ

THREEのスタッフさんに教えてもらった選び方は、「番号」という軸があるぶん、他のブランドとは少し違うシンプルさがありました。 知識がなくても、順番どおりに進めれば必ず自分に合う一番に出会えます。
ステップ1|まず柑橘系の05番か、ウッディ系の02番を試す
「どこから試せばいいかわからない」という場合は、まず05番(柑橘系)か02番(ウッディ系)のどちらかから始めましょう。 05番は「爽やかでフレッシュな香りが好き」な方向け、02番は「落ち着いた森林系の香りが好き」な方向けです。
「甘いのは苦手」「すっきりしたものが好き」という言葉でスタッフさんに伝えるだけで、どちらから始めるかを提案してもらえます。 専門用語は一切必要ありません。
ステップ2|嗅いだ瞬間の「直感の言葉」をそのままスタッフに伝える
「クラフトコーラみたい」「雨みたい」「森林浴みたい」。 そのくらいの日常の言葉で十分です。
スタッフさんはその言葉をもとに「それなら04番も試してみてください」と次の候補を提案してくれます。 「自分の感想を言語化する」ことが、THREEでの選び方の核心です。
ステップ3|「香水」か「ハンドクリーム」かで入口を選ぶ
気に入った香りが見つかったら、次はアイテムの形を選びます。 「毎日香水をつける習慣はないけど、香りは楽しみたい」という方には、00番か01番のハンドクリームが最初の一本として最適です。
10mlの小さいサイズ(6,017円)は「半年から1年くらい使えますよ」とスタッフさんが教えてくれました。 毎日使う香りとしても、持ち運んで気分を切り替えるアイテムとしても使いやすいサイズ感です。
オノリカ監修 THREEのような「精油100%」の香水を選ぶ際に知っておいてほしいことがあります。 試香紙(ムエット)や専用ツールで嗅いだ印象だけで購入を決めないということです。
天然の精油は肌の体温と混ざることで本来の香りが引き出されます。 できれば少量を実際に肌につけて、5〜10分ほど時間をおいてから最終判断をすることをおすすめします。
特にTHREEの香りは時間とともに変化する設計なので、つけた直後よりも少し時間が経ってからの香りを確認してから選ぶことで、「買ったら思っていたのと違う」という失敗が大幅に減ります。
購入のとき、スタッフが私のライフスタイルに合わせてサンプルを変えてくれた

お会計のとき、スタッフさんが「メイクや日焼け止めは使われますか?」と確認してくれました。 「しないです」と答えると、一般的に提供されるクレンジングのサンプルではなく、「でしたらこちらをどうぞ」と化粧水と乳液のサンプルに切り替えて渡してくれました。
「マニュアル通りではなく、相手の実際の生活に合わせてサンプルの中身を変える」という配慮が、お会計という何気ない場面で行われていました。 さらに4月始まりの卓上カレンダーもプレゼントしてもらいました。
「また来たい」ではなく、「次は02番も試してみよう」と思いながら帰ったのが、この日のいちばんの変化だったかもしれません。
まとめ|「香水が苦手」だったのは、「合成香料が苦手」だったのかもしれない
THREEに来るまで、「香水が苦手」という感覚の原因を深く考えたことはありませんでした。
でも「精油100%で作られた香水があること」を知り、実際に複数の番号を試しても頭が痛くならなかったことで、「苦手だったのは香りそのものではなく、合成香料だったのかもしれない」という気づきが生まれました。
「クラフトコーラみたい」という表現がそのまま通じる接客の空気感。 時間とともに優しく変化していく天然精油ならではの香りの移ろい。 スキンケアとフレグランスが精油でつながっているという日常への溶け込み方。
これらはすべて、「香水が苦手だと思っていた人」に向けて、THREEが誠実に設計してきたものでした。
「香水が苦手」と感じている方ほど、まず「合成香料ゼロ」のTHREEで一番を試してみてほしいと思います。 「直感でいい匂いと思った番号」が、今の自分にいちばん必要な香りです。
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